第12章 音楽祭の始まり
~音楽祭当日 黄瀬said~
音楽祭は、午後15時に開演される。
現在の時刻は13時。
ちなみに、母さんとは14時にホテルで
待ち合わせをしている。
俺は、只今、自宅で出掛ける準備中。
優希っちに、午前中のうちに応援メールを
送ったら。
ありがとう。って、返事きたんっスよ!
優希っちは、バイオリンでどんな曲目を
演奏してくれるんだろうか。
音楽祭の当日にならないと、
演奏曲は発表されないのだ。
音楽祭の受付でやっとわかるようだ。
彼女は、どんなドレスを着るのか。
一度だけ、どんなドレスを着るのか、
聞いてみたんスよ。
そしたら。
言ってしまったら当日の楽しみが、
半減するから、内緒☆
って、人差し指を唇にあてて、可愛く
言われてしまった。
もう、楽しみで仕方ないっス~!!
母さんとは、約束の時間に無事会えた。
音楽祭までまだ時間があるので、
母さんとホテルの喫茶店でお茶をする
事になった。
黄母「涼太、今日の衣装よく似合ってるわよ。自分で選んだの?」
黄瀬「ん~。お世話になってるスタイリストさんに、何着か選んで貰った。そこから、
最終的には自分で選んだ感じっスかね。」
黄母「その衣装なら、相手の女の子が
どんなドレスできても、大丈夫ね。
さすが私の息子だわ!」
俺が着てるのは、グレーと黒、両方の色合いが入ってる少し長い丈のタキシード。
黄瀬「ははっ。さすが俺でしょ?」
黄母「調子にのらない!涼太が私に
会わせたい優希ちゃんは。いつ紹介してくれるのかしら?」
黄瀬「優希っちを、紹介できるのは
音楽祭が終わって舞踏会辺りっス!
けど。まぁ。音楽祭では、演奏者側だから。
優希っちは、その時に見れるっスよ。」
黄母「そうなの!
演奏楽器は、何か知ってる?」
黄瀬「何でしょう?当ててみて。」
黄母「う~ん。そうねぇ。当ててみてというくらいだから。ピアノじゃなさそうね。
よし。決まったわ!バイオリンじゃない?」
黄瀬「正解っス!
一回で、正解するとか面白くないっス。」
黄母「面白さを求められても困るわ。
ねぇ。涼太。優希ちゃんの写真とか持ってないの?」
黄瀬「・・・持ってないスよ。」
黄母「その顔は、持ってるわね。
返事するのに、間があったわよ?
まぁいいわ。諦めてあげる。」