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第7章 デート大作戦



『う、ん。いいよ。』

黄瀬「俺と、優希っちは。小学4年の
春に会ってるスよね?」

『うん。出会ったのは、近所の公園の大きな木の下だったよね。』

黄瀬「そうっスよ。泣いてた優希っちに
声をかけたのが、きっかけだったスね。」

『涼くんは、泣きながら話す私の話を
最後まで聞いてくれた。
それから、私に、優しい言葉をくれたんだ。あの、言葉にどれほど救われたか。
涼くん、ありがとう。』

黄瀬「ううん。あの時は、いや、今もかな。
正直、なんて、声かけたら。
慰められるのか分からなくて。
でも、俺の言葉が優希っちの、役に立った
なら、良かったっス。」

『あ、そうだ!』

優希っちは、一枚の栞を、カバンから
取り出した。

その栞は、とても見覚えのあるもので。

黄瀬「その栞。まだ、持っててくれた
んスね。桜の花びらを、四つ葉のクローバーに見立てて作ったんス。
君に、たくさんの幸せが訪れますように。」

『うん。あの時も、そう言って渡してくれたよね。
涼くんに、出会った後は、今までが嘘
みたいに、泣かなくなったんだよ。
おじぃちゃんや、理桜も、驚いてたなぁ。
きっと、涼くんの優しい願いが届いたの
かな。』

黄瀬「どうして、そんな欲しい言葉が
わかるんスかね。
優希っち、また泣いてるし。」

俺は、優希っちの目尻に溜まった涙の
雫を、指でふいてあげた。

『こ、これは。う、嬉し涙だよ。
あの時も、こうして涙をふいてくれたよね。』

黄瀬「そうだったス。ふいても、ふいても、
涙が流れてくるから。意味なかったスけどね。でも、今なら・・・。」

チュっ。

『ふぇ?』

涼くんが、私の瞼にキスをした。

黄瀬「びっくりしたっスか?
優希っち、涙とまったんじゃないっスか。」

私は、自分の顔を触って確かめてみる。

『あ、ホントだ。』

黄瀬「優希っち。俺は、誰にでも優しい
ワケじゃないっスからね。
こんな風な、泣きやませかたも。
優希っちにしかしないっスよ?」
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