第7章 デート大作戦
~デート当日~
私は、今、待ち合わせ場所に向かって
歩いている。
待ち合わせ時刻の20分前。
まだ、早いから、涼くんは来ていないかな?
なんて、思ってたのに。
待ち合わせ場所から、少し離れた所まで
たどり着いた時、もう涼くんが、待って
いるのが見えた。
だけど、涼くんの周りを、数人の女の子が
囲んでいる。
あそこに、堂々と割り込む勇気は、
ないかもしれない・・・。
少し、様子を見ようと私が、キョロキョロ
と、隠れる所を探していたら。
「優希っち!」
と、声がかかる。
(結構距離があるから、気づかれてないと思ってたのに~。なんで、声かけちゃう
のよ~~。)
(うぅ~。絶対、女の子に睨まれるわ。)
内心、叫んでいたけれど、無視するワケ
にもいかず。
私は、腹をくくり、涼くんに、話かけた。
『おはよう。早く、着いたんだね。』
(あぁ~~。やっばり、何、この女みたい
な目で、こっちみて、睨んでるよ。
視線が痛い~。)
周りの女の子達が、
「涼太く~ん、あの子誰ぇ?」
「あの子より、
私達と遊ぶ方が、絶対楽しいわよ~♪
お子様より、お姉さん達相手の方が、いい
わよ~??」
と、涼くんの腕にまとわりついて、
離そうとしない。
なんて、返事するのだろうと思っていたら。
黄瀬「手、離してくれないっスかね。
あの子は、俺の彼女。・・・って、
言いたいとこなんだけど、今は、まだ違うんだよね。
大切な子なんで、あんまりイジメないで
欲しいっス。」
涼くんが彼女達に伝えたのは、
私が思いもよらない言葉だった。
周りの女の子達も、涼くんの真剣な、
表情や言葉に、戸惑った顔してる。
「わ、私達、用事あるから!行くわ。」
逃げるように、早足で去っていった。
黄瀬「優希っち、ゴメンっス。
嫌な思いさせたよね。大丈夫?」
『うん。大丈夫よ。
涼くん、ありがとね。守ってくれて。
でも、ファンの子だったのに、あんな風に
言って良かったの?』
黄瀬「確かに、ファンの子は、大切に
しなくちゃ駄目っスけど。
さっきのは、ファンの行為としては、
度が過ぎてる。
何より、優希っちまで、傷つけようと
してたから。黙ってられなかった。」
『ありがとう。
あ、遊園地には、どうやって行くの??』