第6章 初恋の人は○○
黄瀬said
俺は、今朝、めずらしく夢をみた。
昔、偶然に知り合った女の子の夢を。
なせ、今頃になってみる?
確かに、印象深く、残っている思い出だけど。
今まで、夢に見たこと何て無かった。
あの日、姉ちゃん達とケンカした俺は、
家に居たくなくて、一人で、公園に行った。
そしたら、どこからか、すすり泣く声が
聞こえてきた。
気になった俺は、辺りを探した。
大きな桜の木の下で、うずくまって、
泣いている、女の子を見つけた。
俺は、その子に、どうして泣いてるのか、聞いたんだ。
女の子は、顔をあげて、泣きながらも、一生懸命、俺に泣いてる理由を話してくれた。
交通事故で、両親を一度に亡くしてしまった事。外国にいるおじぃさん家に引っ越すから、友達とも離れてしまう事。
それが、悲しいと。
目にいっぱい、涙をためて、ボロボロ泣いていた。
俺は、何か、彼女に声をかけてあげたいと
思ったけど。
どんな言葉も、舌の上で氷りつく。
友達とは、また会える可能性がある。
だけど、両親とはもう、二度と会えない。
そんな時、何て、伝えれば少しでも、
彼女の気持ちを、悲しみから、救ってあげれるだろうか?
とにかく、あの時は、女の子の涙を
止めたくて、頭をフル回転させたんだ。
そして、俺は、こう伝えた。
「君の、お父さんや、お母さんは、空に輝くお星様になったんだよ。
だから、いつも見守ってくれているから、泣かないでって。
泣き顔じゃなくて、笑顔がみたいと思うよ
。」
俺の言葉に、どんな風に思うか、不安
だったけど。
『ありがとう。
お父さんや、お母さんが、
お星様になれたなら、良かった。
お星様は、お空にたくさんあるから、二人
とも、寂しくないよねっ!』
女の子は、俺に向かって、そう言って、
笑ってくれた。
あの笑顔は、すごく可愛いかった。
彼女には、たくさん笑って過ごして欲しい
そう思った。
あの、女の子の名前は、何ていったかな?
だけど、可愛い名前だね。君に似合ってるなんて、言った気がする。
あれ??
今日どっかで、そんな話をきいた気がする。
確か・・・。
優希っちが、言ってたっス!!!
もしかして、あの時の女の子は?
そんな、奇跡あるの?