第3章 正義のヒーロー
『えっと、征くんは生徒会の用事があったからね。転校初日だし、先に帰る事にしたの。引っ越しの片づけもしなくちゃいけないから。』
青峰「そっか。赤司、ホント忙しいやつだな。
家族で、日本に来たんじゃねぇの?」
『一人暮らしするの。私、両親は小さい時に亡くしてるんだ。小学校4年生の時に事故でね。
それから、イギリスにいるおじぃちゃん家に弟と一緒に引き取られたんだ。だけど、中学にあがるのを機会に、私だけ日本に戻ってきたの。』
青峰「優希も、色々と大変だな。辛いこともあったんじゃねーか?」
『まぁね。正直、寂しいと感じる時もある。だけど、おじぃちゃん、おばぁちゃんがいて。弟もいる。征くんも支えてくれたから。私は、笑顔でいられたの。』
優希の表情をみてたら、じぃちゃん、ばぁちゃんが、いい人達なんだろうなとわかる。
優希は、じぃちゃんがイギリス人で、ばぁちゃんが日本人。母親は、日本人だから、自分はクォーターなんだと教えてくれた。
だから、じぃちゃん譲りの深緑色の目をしているんだと、嬉しそうに話してくれた。
じぃちゃん家の家系は、イギリスの何とかいうエラい公爵家のトップらしく、家もお城みたいに広いそうだ。
日本では、姫野財閥として仕事しているんだとな。
オレ達は、時間も忘れ色々と話をした。
日が沈みそうな頃、オレは優希が住んでいる高級そうなマンションまで送っていった。
青峰「優希、携番とアドレス交換しねぇ?」
『うん、いいよ。赤外線する?』
青峰「そだな。お、きたきた。また、メールするからな。あ、さつきにも、教えてやっていいか?」
『うん。いいよー。さつきちゃんにも、宜しく伝えてね。大輝も、送ってくれてありがとう。じゃあ、またね。バイバイ!』
青峰「おぉ。またな。」
優季は、手を振り自動ドアの向こうに入っていった。