第3章 正義のヒーロー
倒れている男共が、逃げ出そうとしていた。
『待ちなさい。この子達のお金、返してから行きなさいよ。』
金を投げ捨てるようにして、負け犬よろしく
一目散に逃げて行った。
優希は、被害にあってたガキに声をかけていた。
『君達、大丈夫?怪我とかしてない?』
「あ、はい。大丈夫です。お姉さん強いんですね。ビックリしました。」
「お姉ちゃん、カッコ良かったよ。正義のヒーローみたいで♪」
『クスっ。ありがとう。怪我がなくて、良かった。』
ガキどもがお礼を言って帰った後、
優希が一人になったところで、オレは声をかけた。
青峰「よぉ。優希。」
『大輝くん!見てたなら、助けてくれても良かったんじゃない?』
青峰「助けようと思ってたよ。けど、タイミングのがしたっつーか。すまん。」
『謝らないでいいよ。悪くないんだから。』
青峰「なんか飲むか?」
『え?うん。飲もうかな。』
優希に、オレンジジュースを投げ渡す。
結局、良心がうずいたオレは優希にジュースを奢ることにした。
ひとまず、近くにあるベンチに座ることにした。
青峰「優希、お前、強いんだな。
なんか、習ってたのか?」
『あ、うん。空手とかね、色々習ってた。
おじいちゃんが、武道の達人でね。
女でも、自分の身くらいは守れなきゃ駄目だーって、すっごい厳しい先生なんだから。』
青峰「じぃちゃんも、すげぇんだな。
優希は普段ポワ~ンとした感じなのによ。
意外だった。お前も、いいとこのお嬢様ってやつだろ?ピアノとかひいてる大人しいイメージだったからなー。
あーいう風に、困ってるやつ助けて闘うなんて、いい意味で裏切られた。マジ、カッコよかったぞ。」
『あははっ。ありがとう大輝♪』
青峰「あぁ。けどよ。強いのは、わかるけどな。あんま、無茶すんじゃねぇぞ。
女なんだからなー。」
『うん。大輝は、優しいんだね。』
青峰「何だよ、いきなり?誉めても何もやんねーかんな。あ、優希、そういやお前、公園に何か用あったのか?」
『ううん、通りかかっただけだよ。家、こっちの方だから。大輝は、公園にバスケしに来たんでしょ?』
青峰「よくわかったな。けど、今日は、やめとくわ。そういや、何で赤司と一緒に帰らなかったんだ?」