第3章 正義のヒーロー
青峰said
今日は、部活が休みだから公園のバスケコートで、体を動かしてから帰ろうと思っていた。
ふと、もめているような声がしたから気になり、垣根の隙間から覗いてみた。
すると、高校生らしい柄の悪いやつらが、小学生をカツアゲしようとしていた。
こうみえても、オレは弱いものイジメは嫌いだ。
相手は、高校生3人だが腕っぷしには自信があるし、助けてやるかと、公園内に足を踏み出そうとした瞬間、自分より一足先に、公園内に入っていった女がいた。
『弱いものイジメはやめなさい!あなた達、恥ずかしくないの?そんな大勢で、小さい子を脅したりして。』
凛とした、よく通る声で言いはなち、小学生2人を庇うように、男達の前に立った。
そいつは、昼休みに食堂で知り合った、赤司の幼なじみ、優希だった。
「あぁ?何だよ、邪魔すんな!」
『この子達から、取ったもの返しなさい。』
「はぁ?嫌だね。気の強ぇ女だな。
てか、こいつ可愛いくねぇ!?」
「お、ホントだ。超イケてんじゃん♪すっげぇ、俺好みかも~。」
「おぉ。こんな美人みたことねぇ。
スタイルも抜群だしさ!」
男共は、下品な目で優希を上から下まで舐めまわすように見ていた。
「なぁなぁ。オレ良いこと思いついたんだけど。そいつらから、奪った金は返すからよ。
そんかわり、あんたが、オレらと遊ぼうぜ。
なぁ、相手してくれるよな?」
ある男が、優希の腕を掴んでいる。
さすがに、助けにいかねぇと。タイミングはかってる場合じゃねーな。優希に何かあったら、俺が赤司に殺されそうだ。
『嫌ですっ。私、あなた達の相手なんて絶対しないわ。離して下さい!』
「気の強いお嬢様だな。ますます、落としがいありそうだ。ねぇ?名前なんて~の?」
『もう、離して!いい加減にしないと痛い目みるわよ?』
自分の手を掴んでいる男を、キッと睨み付けたかと思ったら、掴んでいる男の腕をとり、投げ飛ばした。
残りの男共は、優希を捕まえようとするが、触れることすら叶わず、あっという間に地面に倒されていた。
あまりの一瞬の出来事に、動揺が隠せずにいた。なんの武術かはわからないが、このオレが思わず見とれてしまうほど優希は強かった。
そして、闘う彼女を綺麗だと思った。