第11章 ヤキモチ
「そこ、ストーップ!」
二人はその声にビクッとし声のするほうを確認するとまどか の父が仁王立ちで立っていた。
「高伸くん、さすがにこの時間に居るのはマズイよね。」
父の顔は引きつっていた。
青根はまどか から離れ立ち上がり
「………………お邪魔しました。」
まどか の父に一礼して帰っていった。
「ご、ご飯作らなきゃ!」
「ご飯の用意は後でいいからそこに居なさい。」
立ち上がろうとするまどか を父は阻止した。
……うわ、お父さん怒ってる……。
まどか は父に怒られると思いビクビクしていた。
「まどか は高伸くんとああいう事いつもしてるのかい?」
「…………し、してないよ。」
「じゃあ付き合ってはいないんだね。
別にあれが駄目だとは言わないけどさ、まどか は高伸くんの事どう思ってるんだい?」
「………大事な人だよ。」
「じゃあまどか は高伸くんの事好きなのかい?」
「…………好きな人は……他に居る。」
「……他に好きな人が居るのになんで高伸くんと……まどか もっと自分を大事にしないと後から後悔しても遅いんだからな。」
父はまどか の頭を撫でて着替えに行った。
まどか が嫌がっていなかったから止めるのを躊躇したんだが
やっぱり止めて正解だったか。
父はネクタイを緩めながら自分のした行動が正解だった事に少しホッとしていた。