第10章 二口の悩み
暫くしてまどか の自宅到着する。
「なぁ、まどか の親父さんいつ帰ってくんの?」
「んー。早くて22時前かな。遅かったら終電だったり、朝まで帰って来ない時もあるよ。」
「……ほとんど毎日一人なのか。」
「そだね。でも慣れちゃったし、お父さんも息抜きが必要だしね!だから土曜の夜は朝まで飲みに行ってるよ。」
「へぇ、まどか 偉いじゃん!」
二口は感心して思わずまどか の頭を撫でた。
二口に頭を撫でられたまどか は何も言えず熱でもあるんじゃないかと思うくらい顔は真っ赤に照れていた。
そんな赤面のまどか を見た二口はドキッとしてしまう。
「ばっか!そんなんで照れんなよ!どんだけ男慣れしてないんだよ!」
だって、だって、二口にそんな事されたら照れちゃうってば!
私、熱出そう…いやもうすでに高熱だよ!
「ごめんね。男慣れしてなくて!送ってくれてありがとう!気を付けて帰ってね!また明日!」
まどか は真っ赤な顔をしたまま二口を見送った。
二口に頭ポンポンされちゃったよ。
もう嬉しくてヤバイんですけど!
あぁ、今夜はいい夢見れそう!!
まどか は玄関に倒れ込んでニヤニヤしながら幸せを噛み締めていた。
はぁ…やっちまった。
……絶対優しくしないって決めてたのに。
同じ過ちはもうしたくねぇのに。
アイツと……――じゃなければ良かったのに。
二口は帰りながら複雑な気持ちになっていた。