第8章 家庭の事情
青根は自宅に入ると着替え、二口にメッセージを返信した。
……もう6年になるのか。
青根はまどか の事を考えていた。
まどか の母親が亡くなってから6年。
¨あの子は寂しがり屋だから一緒に居てやってくれないか?あと悩んでたり困ってたりしたら助けてやって欲しい。¨
その当時青根はまどか の父にそんな事を言われていた。
その時にまどか の事を守ろうと決心した。
無邪気に笑うまどか が昔から大好きでそばに居れるだけで嬉しかった。
俺はいつからまどか の事が好きになっていたんだろうか。
中学の頃部屋で寝ているまどか にこっそりキスをした。
その頃からまどか を独占したいという欲が出てきたのかもしれない。
まどか は二口に恋をしている。
正直応援なんてしたくはない。
あいつになんか渡したくない。
でも……まどか が落ち込んだり悲しむ姿はもっと見たくない。
俺はただ黙って見てるしかないんだろうか。
青根はまどか の事を考えながら
思いも告げる事も出来ずにいる自分自身が
嫌で仕方がなかった。