第23章 二口の想い
俺とまどか は話すようになる前から
両想いだったんだ。
青根は初めから気付いていたんだ。
「…………青根…ごめん。……俺…自分の事しか考えてなくて……。俺が……もう一度まどか に会いたくて嘘さえつかなければまどか は俺の事なんて好きにならなかったはずなのに……。」
二口は胸を痛め涙目で話していた。
「…………謝らなくてもいい。二口が嘘をつかなくてもまどか は二口に絶対好きになっていたはずだから……。…………俺はもうまどか に想いを伝えて完全に振られているから、俺の事なんて構うなよ。」
「…………青根はまどか に告白したのか?」
「…………告白した。まどか が二口に想いを寄せているのは知ってたから振られるのはわかってたけど……でも振られた事で吹っ切れたんだ……まどか が二口とうまくいったら諦められるって。」
「……青根………まどか の告白断った俺にもまだチャンスあると思うか?」
「…………ある。まどか はまだ二口の事を諦めきれてない。今度はお前がまどか に想いを伝えろよ。」
「…………俺、まどか に想いを伝える。……好きだって言う……青根……こんな俺でもこれからも友達でいてくれるか?」
「…………友達じゃなく…これからは何でも話せる親友だろ。そしてバレーでは最高の仲間。…………そのかわり、まどか をまた泣かせたからぶん殴るから覚悟しとけ。」
青根は拳を二口の腕に軽く当てた。
「……ありがとう、俺は青根と出会えて最高に嬉しい。………今からまどか に告白してくる。……もう絶対に彼女を泣かせたりしないから!」
二口はそう言って青根の部屋を後にした。
一人になった青根はベッドに倒れ込む。
これで良かったんだんだ。
二人が幸せになるならそれで良い。
まどか ……大好きだったよ。
まどか の事を想う青根はうっすらと涙を浮かべていた。