第19章 ○○の計画
「もうあげないって言ったでしょ?」
姉は二口の伸びてきた手を叩きチケットを隠した。
グッ……仕方ない。
「美人なお姉様!そのチケット下さい!」
「私肩凝ってるんだよねー。誰か肩揉んでくれないかなぁ。」
………チッ…調子に乗りやがって。
「お姉様どうですかー?」
二口はチケットを貰おうと必死に姉の機嫌を伺っていた。
「あー、いいねぇ。弟にマッサージしてもらうの最高♪」
「後でチケットくれよ?」
「わかってるってば!チケット欲しがるって事は堅治彼女でも出来たの?」
「……彼女は居ねぇよ。」
「じゃあ、男の子と行くの?えっ……堅治は女の子より男の子がほうが好き!?」
「!!んな訳ねぇだろうが!」
「ククッわかってるってば!気になる子がいるんでしょ?人の恋愛に口出しするつもりは無いけど誘うんだったら早めに誘いなさいよ!チケット有効期限があるから!」
そう言って姉は二口にチケットを渡した。
有効期限?……!!
「はぁ!?有効期限って再来週の日曜日じゃんか!……来週からテストもあるっつーのに!」
「フフっ御愁傷様!期限が短いから私も堅治にあげたの♪タダであげたんだから感謝しなさい!」
「ああ、姉貴サンキュー」
「じゃあこれ渡しに来ただけだし用事あるから帰るね!お父さんとお母さんにもよろしく言っといて!」
そう言って姉はいそいそと帰っていった。