第3章 色気が無い!
へこんでいるまどか のそばに青根がやって来た。
まどか は青根に気付き
「あっ!青根ちゃん、帰ろっか!」
二人は一緒に帰った。
まどか と青根の家はお隣同士。
小学生の頃は毎日一緒に登下校していた。
高校に入ってからはまどか が男子バレー部を見に来るようになってからは一緒に下校する機会が増えた。
青根ちゃんにあの事言っておかないとな。
「ねぇ、青根ちゃん。聞いて欲しい事があるんだ。」
「…………ん?」
「私ね青根ちゃんに謝らないといけない事があるの。」
「…………なんだ?」
まどか は立ち止まり青根に申し訳ないのか俯きながら謝った。
「私……男子バレー部に好きな人が居るの。………その人と仲良くなりたくて青根ちゃんを見に来たって口実で利用してたの。本当にごめんなさい。」
それを聞いた青根は皺を寄せポツリと言う。
「…………………………二口だろ。」
「えっ、青根ちゃん気付いてたの!?
うわっ、恥ずかしい……」
まどか は青根に気付かれていたのが恥ずかしくて少し赤い顔になっていた。
青根は暫く黙っていたが「はぁ…」と
ため息をつき覚悟を決めたかのようにゆっくりとまどか に話す。
「…………………まどか が喜んでくれるなら利用してもいい。…………応援する。」
まどか はぱぁっと笑顔になり
「いいの?青根ちゃんありがとう!大好きっ!」
嬉しくて青根の腕に抱きついた。
そんな甘えてはしゃぐまどか を余所に
青根は複雑な気分だった。