第1章 ドキッ男だらけの相合い傘選手権/刀剣乱舞
「さーて、次はこいつ!小さな身体に似合わぬ大きな器、白衣のアニキとは奴のこと。薬研藤四郎!!」
「よお大将。俺っちと相合傘したいって?」
\柄まで通してー/
続いて登場してくれたのは粟田口の兄貴分薬研藤四郎。彼に笑顔で「大将」なんて呼ばれて落ちない審神者はいない。
「じゃあ始めるぜ薬研!スタート!」
【case2:薬研藤四郎】
今日は大将と一緒に万事屋まで買い物に来てる。
『ありがとね薬研。荷物持ち付き合ってくれて』
「なんてことねえよ。荷物持ちくらいいくらでも付き合うぜ」
それから2人で他愛もない会話をしながら歩いていた。
『でさぁ、その時長谷部がね!…ん?雨?』
「ほんとだ。参ったなぁこりゃあ」
どうやら割と本降りになりそうな雨模様だ。走って帰るっつっても本丸まではまだ距離がある。
『どうしよう、傘置いてきちゃったよ』
「大丈夫だ大将。こんなこともあろうかと傘は持ってきてる」
『薬研!さすが!』
この前いち兄から貰った折畳み傘とかいうやつをさして2人で傘に入った。
『へへへ、薬研と相合傘なんて照れちゃうね』
「そうかぁ?」
大将が少しでも濡れないように小さいなりに一生懸命手を伸ばした。この時俺はもうちょっと背が高ければ…なんて情けないことを思ってしまった。
『薬研!』
「うおっ!どうした大将!?」
『私の方ばっかり傘向けるから薬研肩濡れてる…』
「ん?あぁ、俺っちはいいんだよ。大将が濡れたら困っちまうからな」
『よくないよ!ほらちゃんとさして!』
グイグイ傘を押してくる大将。負けじと押し返して大将の手をぐっと掴む。
「あのな大将。俺達は手入れすればすぐに治る。でも大将が風邪引いてみろ。みんな心配するだろ?」
『…はい…』
「それにな大将。俺は元気な大将が好きだぜ」
『…っ!?』
茹でだこみたいに赤くなっちまった大将。まぁなにはともあれ大人しくそのまま歩き出したから問題はねえな。
「男前!男前すぎるぞ薬研!さて審査員から好評を、鯰尾藤四郎!」
「皆さん知ってます?あれ俺の弟ですよ?」
「さあ!気になる得点は!?」
【薬研藤四郎:9点】
「9点!暫定1位だな!感想をどうぞ!」
「俺っちが1位か?ありがとな!」
\柄まで通ったー/
さすがニキ。文句なしの演出をして満点スマイルで控え室に戻っていった。
