第1章 ドキッ男だらけの相合い傘選手権/刀剣乱舞
「さーて審査員の方々が全員揃ったな!ではお待ちかねのお相手役を紹介するぜ。わかってるだろうが俺たちの大事な主だ!」
『よろしくお願いしまーす!』
お相手役で登場したのは本丸の主である。くせっ毛を短く後ろで結び笑顔が似合う女の子。無駄に筋肉質で胸にはまな板を抱えている。
ちなみに以前この事をからかった和泉守兼定は手入れ部屋から15時間帰ってこなかったそうだ。
「よしっ!そんじゃはじめるか。まず…」
『はーい!質問でーす!獅子王ちゃん質問でーす!!』
「どうした主?」
『なんでへし部は出場しないんですか?主はへし部と相合い傘したいです』
「あ、主…っ!この長谷部、嬉しさのあまり声も出ませんっ…」
予想外の質問に思わず熱くなった目頭を抑えている長谷部をニヤニヤしながら見ている。
「ちょ、ちょっとまてよへし切!お前が抜けたら審査委員は」
「獅子王、貴様あれが見えないのか!?」
長谷部がビシィッと指さした方向を見ると参加者一覧表があり、そこには"へし切長谷部"と上書きされていた。この一瞬の間に上書きするとは、さすがは起動力お化け長谷部。
これがへし切長谷部の主命全開モードなのだ。当の本人はご機嫌な様子で出場者控え室に入っていった。
「ねぇ、長谷部おじさんの代わりの審査員はいないの?まぁボクらだけでも大丈夫だけど」
「ふっふっふっ。こんなこともあろうと準備していたのさ!出てきてくれ!特別審査員!!!」
獅子王が指さした先には誰もいなく、花びらを撒く準備をしていた刀装たちもさすがに焦った表情を隠しきれずにいる。
『ちょっと獅子王?ちゃんといるんでしょうね?』
「いるいるいるって!!!」
あっれー?と頭を抱えている獅子王。すると馬小屋の方からすすり泣く声が聞こえた。