第2章 雨の日の君は/家庭教師ヒットマンREBORN!
ある日の帰り道。私は傘をさして一人で歩いていた。
頭の中には練習中の山本の姿がずっと流れている。どんなにキツイ練習も笑顔でやり遂げてしまう彼が好きで好きでどうしようもない。
でも現実は甘くなくて、私のように山本に恋をしている女の子はたくさんいる。私なんてその大勢の女の子達から見ればただのクラスメイトでしかなかった。
そんなことを考えていたらなんだか虚しくなってきて大きなため息をついた。すると後ろからパチャパチャと雨が降る中走ってくる足音が聞こえた。
「ー!!」
『え?山本!?どうしたの!?』
「傘忘れちゃってさ!入れてくんね?」
両手を合わせて頼んでくる彼。もちろん答えはYesだ。
『い、いいよ!』
「サンキュー!マジで助かった!」
きっと山本にとっては私と同じ傘に入るなんて大したことじゃないのだろう。だけど私にとっては一大事である。
「、濡れてないか?」
『ああ!うん、大丈夫!』
緊張して声が裏返るし、ろくに目も合わせられない。
周りから見たら私達はカップルだと思われているのだろうか。そんなことを考えたら嬉しいような恥ずかしいな気持ちでいっぱいだった。