第3章 壁の中の街
「…ん」
目を覚ました頃には
日が沈みかけ、もうすぐ夜が
訪れようとしていた
私、寝ちゃってたんだ…
「あ!起きた?
ちょうど着くところだよ」
隣にはなぜかクリスタがいた
「あれ?クリスタがいる」
「途中でリヴァイ団長が交代してくれたの
疲れただろうからって」
…そういえば行きも相当時間
がかかってたっけ…
「ごめんなさい私ばかり寝てしまって」
「大丈夫だよ!
私たちこれくらい慣れてるから
…それとも…団長が隣の方がよかった?」
ニヤニヤしながら聞いてきた
「…え、なんで…?」
そう言うと
クリスタはふふっと笑った
「その服ゆずきにあげる!」
「え!?どしたのいきなり」
「…だって着替えが何着かあった方が
いいもん!女の子なんだし!
…それに、とっても似合ってるもん!!」
クリスタはとてもわかりやすい。
まだ初めてあってから数日しか
たってないけど
とても素直でまっすぐな子
だと思った。
だから、今のセリフには
なにか違和感を感じた。
何かを企んでいるかのような…
とは言っても悪い方ではなく
いい意味でだ。
どうしてもこの服を着てほしいという
クリスタからの訴えのように感じた
「あ、ありがとう!
そこまで言うなら…遠慮なく
ありがとう、クリスタ!」
クリスタはとても嬉しそうに微笑んだ
…そんなに似合ってるかな…?
うーんと考えていると
馬車が止まり、リヴァイさんが
降りてきた
「楽しい楽しい女子トークは終わりだ
着いたぞ」