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【進撃の巨人】私は蒼穹を舞う乙女だった

第3章 壁の中の街


ちょっと固いけど
ほんのり甘くて美味しい

甘い物なんて
ずいぶん久しぶりに食べた気がする

糖分が私の体を満たしていった



「ボリボリうるせぇ」

「…え?」

てっきり寝ていたとばかり思っていた
リヴァイさんが口を開いた

そして私の持っている袋に
手を伸ばし
クッキーを1枚取っていった

「あ!私の!」

うるさいと言ったわりには
自分も固いクッキーを食べ
盛大な音を鳴らしていた

「意外とケチなんだな」

「……」

少しムッとしたが
そこは抑えて…

「どうぞ?食べたければもう1枚」

と、差し出す

「いい。甘すぎる」

「…そうですか」

これで甘すぎるんだ
ちょうどいい甘さだけどなぁ

チラッとリヴァイの方を見ると
またも目を閉じていた

「リヴァイさん」

「…なんだ?」

「眠いんですか?」

「まぁな…

最近寝る間もないくらい
働きづめだったからな

こんなに働いても
待遇はよくならねぇ

おまけにいつ死ぬかもわからねぇ

クソみてーなとこだ」


「…大変なんですね」


私は最後の1枚のクッキーに
手を伸ばし

だんだん遠くなる街を眺めながら
気持ちのいい風を感じていた

馬車の揺れもあいまって
私はいつのまにか眠りに落ちていた


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