第3章 壁の中の街
「リヴァイ団長、こちらは終わりました!
食材ですが…お肉はやはり今回も
量は少ないです」
「ご苦労、肉は遠征前にだけ食わせてやるか」
「そうですね…いい加減蒸かし芋にも
飽きましたよね…」
2人はなにやら話し込んでいる
どうやらこの世界は
深刻な食糧不足に陥っているようだ
今朝食べたパンとスープにも頷ける
「あとは…物資の調達ですね
私行ってきます」
「ああ、頼む
あとで荷馬車のところで落ち合おう」
クリスタは私にあとでね!と声をかけると
人混みの中に消えて行った
「クリスタ…すごい
仕事のできる女って感じ」
「あいつも…もう長く生き残ってる方だな」
生き残ってる…
そうだ、まだ詳しくは知らないけど
この世界には"巨人"というものが
いるらしい…
リヴァイさんたちは
その巨人と戦ってるとか
なんとか…
私に似てるというさんも
亡くなったってことはきっと
巨人に殺されたのだろうか
「どうした?急にだまって」
考え込む私にリヴァイが声をかけた
「あ、いや…
さんてリヴァイさんの
恋人だったって本当ですか?」
とっさに言葉に出てしまった
リヴァイは少し目を伏せると
黙ったまま歩き始めた
やっぱり…まずかったかな…
亡くなった恋人の話なんて…
「…恋人だとはっきり言った覚えはないが
同じようなもんだろうな」
私はそれ以上は何も言えなかった
恋人が亡くなった経験なんて
私にはない
なんて言葉をかけていいか
わからなかったから
「おい」
「はい?」
「さっきから急に黙るんじゃねぇ」
「あ、ごめんなさい
なんて言ったらいいのか…と思って」
「お前には関係のない話だ」
「そうですけど…
リヴァイさんは私がさんに
似てると思います?」
関係ないと言われたことに
少しだけムッとしてしまったせいで
こんなことを言ってしまった
リヴァイがジロッとこちらを見る