第10章 一日目
「……まだその考えを捨てていないのか。」
「捨てるつもりも何もないし。これがアタシの今の生きがいなの。これを無くしたら……、アタシはもう死ぬしかない。ってかとっくに死んでるね。」
「その考え方は危険だと、何度も忠告しているはずだ。」
「いつもいつも、余計な忠告をありがとうございます。それは要らないお節介だから聞かないからね。別に蒼也が何言おうが、アタシは目的を見失ったりしないから、何も変わらないの。
どうせ、壊れて危険な道しか歩けないから。少しでも生き長らえて、早く目的を達成できる方法を模索したいだけ。」
「だからと言って、俺も忠告をやめる気はない。お前の死は間違いなく、防ぐことの出来る死だ。」
「今すぐ死地に向かう訳じゃないし。そもそも自分が死ぬ時なんてまだ分からないからね!? 早とちりし過ぎ。けど、呆れつつもこうやって訓練に付き合ってくれるのも、アンタの優しさってとこなのかね?」
「……知るか。」
「まー照れちゃてー。不器用なんだから。」
「……、新しい武器を試すのか、やめるのか、どっちなんだ?」
「はいはいごめんって! 謝るから怒らないでー。まだ帰らないでよー!」