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FFVII いばらの涙 邂逅譚

第9章 瞳の住人



「……仕事は仕事だ」
「あまり気乗りはしないがな」
「私たちの任務は、あなたたちを発見次第……殺すこと」

なぜだか暗い雰囲気が辺りに漂っていた。

「フ、タークスは相変わらず、血なまぐさい任務ばかりらしいな……」
「私たちを殺すことはできないわよ。それでもやるの……?」

ヴィンセントとシャロンも臨戦態勢に入る。

「なっ……! 私たちだって! タークスの意地と心意気、見せてあげましょう!」
「それならヴィンセントは、タークス・オブ・タークスの力を見せてあげなくちゃね」
「シャロン……その話……いつ思い出したんだ?」

シャロンが首を傾げ、苦笑しながら首を横に振る。

「ヴィンセントって……訓練所の最高記録保持者のヴィンセント・ヴァレンタインかよ、と」
「とにかく、決着をつけるぞ!」

クラウドの号令で、戦闘が開始される。
直後砂煙が立ち、メンバーが煙に消え散り散りになると、フレアやアルテマ、連続斬りと技の応酬が繰り広げられ、タークスは爆弾で応戦するので地下は混乱状態になってしまった。

「きゃあー! いたあい! いたいわ!」
「そろそろ、おひらきにしますか、と」

砂埃が立ち込める中、タークスの三人はポーズを決めつつ去っていく。
一息ついて、シャロンが天井に這わせた荊棘から手を離し地上に降り立つ。

「っと……なんだか面白い子達だったわね」
「こちらとしてはいい迷惑だがな……」
「まあまあ、会社員は大変なのよ。ね、クラウド」
「いい迷惑だな」
「あらら」

タークスさんも嫌われたものだとシャロンは肩をすくめる。
明るくふるまうシャロンだが、それを逆に気がかりに思う男がいた。

「シャロン……怖くはないのか?」
「なにを怖がるの?」
「これから宝条と会うんだぞ……」
「平気」
「そうか? いつもより戦闘のペースが早いので緊張しているのだと思ったが……」

そう言われて、シャロンは自分でも気付いていない手の震えを自覚した。
クラウドが神妙な面持ちで見守る。
今ならパーティの入れ替えはできる。シャロンが望まないのであれば、宝条との対面は避けてやることができる。
しかし彼女は首を振った。

「覚悟はもうできているわ。前に進みましょう、リーダー」

胸に手を当て、少し膝を折り会釈する。

キャノン砲まであと僅か——
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