• テキストサイズ

6月合同企画【相合い傘】

第2章 黒子のバスケ/氷室辰也


「キャプテン」
「ん?何かあった?」



後片付けを終え、相手校に挨拶を済ませた帰り道。
私は今日見つけた課題について早速聞きに行った。



「え、そうかな…。気づかなかったな…」
「終わってからも言ってましたけど、湿気のせいもあるんですかね」
「まぁ…アツシはそうかもしれないな」
「あぁ…」



その本人はというと、今ではピンピン…というかいつも通りにお菓子を頬張っている。
むしろ、試合後にどうしてあんなにお菓子を食べられるのか…不思議でならない。



「ムッ君…怠さは?」
「んーお菓子食べたら治った〜」
「はぁ…」
「お菓子は控えるって約束しなかったか?」
「控えてるよー」
「それでか?」



どうしてそれなのに脂肪が付かないのか。
とても恨めしい…。

と、頬に冷たいものが降ってきた。



「…って、雨!!」
「とりあえず屋根のあるところに入ろう!」



陽泉バスケ部は急いで近くにあったコンビニへ走った。
なんとかあまり濡れずに避難できたものの、雨音は強くなってきた。



「うわぁ…強くなってきましたね…」
「何も無しじゃとても駅まで辿り着けそうにないな…」
「あ、私折り畳み傘持って来てたんでした」
「さすがだね!じゃあちゃんは大丈夫として…」



他にも何人か傘を持って来ている人はいた。
もちろん、氷室先輩もちゃんと持って来ていた。
が、やっぱりといったメンツが傘を持って来ていなかった。



「みんな偉いね〜」
「ムッ君は天気予報見てないの?」
「んー見たような気もするけど…」
「まったく、劉だって持って来てるのに」
「まーいいじゃん、丁度ここコンビニだし。あ、ついでにお菓子買ってこ〜」



そして、結局何人かでコンビニの傘を買い占めた。
が、ムッ君の手にはお菓子しか無い。



「お菓子選んでたら傘無くなってた〜」
「えー…」
「雨合羽でも着たらいいアル」
「オレのサイズがあるわけ無いじゃん」
「じゃあ誰かの傘に入れてもらうか…」
「だーかーらー、オレが入れるわけないじゃん」
「うーん、どうしようか…」



こういう時、大きいと不便だなーと私はそっと思った。



「あっ、じゃあ室ちんの貸してよ」
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp