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花寵腐月

第1章 花寵腐月


突然の事で大変申し訳ないが、あたしの彼は束縛彼氏だ。


「ん・・・あっ!」
「気持ち良さそうだな。」

平日の昼間っから、貪るように行為に勤しむあたし達。
春の暖かい陽気の中揺れるのは、満開見頃の桜ではなく、修平が同棲のために新調したキングサイズのベッドだけ。

「顔がとろんとしてきた。可愛い。」
いつの間にか物欲しそうに彼を見つめていた自分に気づいて、恥ずかしさのあまり顔を背ける。
「逃げちゃだーめ。」
寝返りを打ったあたしを捕獲するように背後から抱きしめる修平。
「イきそうなんだろ?」
また修平の手があたしの足の間を弄る。もう片方の手は胸に触れて、楽しそうに乳首をつまんでは転がす。
背中に擦りつけられる固いものに、あぁそんなに挿れたいのかと、あたしの興奮度はさらに高まる。

「ほら、素直に言わないとイかせてやらねーぞ?」
あたしの声が高ぶるたびに手を止め、あたしが修平を見つめればまた弄るの繰り返し。
性体験も無い中学生が書く、安っぽい携帯エロ小説のようなセリフと行為。この男の頭のお花畑もまた、春の陽気で桜が満開見頃なんだろうか?

・・・頭では悪態をつく割に、心臓はしっかりと彼の言葉で締め上げられてるのだから、あたしの頭も相当な桜吹雪が吹き荒れているんだろうな。


「お願い・・・イかせてくださいっ・・・!」
「よく出来ました。」
浅ましく彼の指に腰を寄せながら、あたしの呼吸は一時停止した。
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