第2章 まるばつレストラン
あのオカルト番組が放送されて2日。
スマートフォンを見ると、滅多に連絡してこない無口なマネージャーが簡潔なメールを送っていた。
「んーっと、《世界の不思議にまた出ることになった。その企画の1つの奇妙なところへ、このメールを見たらすぐ行け。》...ってなにこれ。」
私は添付されていた地図を見る。
岬町4丁目らへんの小さな通りにあるみたいだ。
「岬町4丁目っていったら...あれを拾った空き地らへんかしら。」
花一つ咲いていない、草も何故か均一に揃えられているあの空き地。
幼い頃、秘密基地ー!なんて言ってあそんだっけ。
昔は、立場なんて気にせず、遊べたのになぁ。
ふいに、まだ嘘つきじゃなかった私がフラッシュバックする。
《「紀伊ちゃん!」
「どうしたの?奏音?」
「明日、あそこの秘密の交差点に行こう?」
「いいよ!12時集合ね!」 》
頭に響く、幼く高い声。
あのときから私は...
「ははっ......なんてね。」
とにかく私は岬町4丁目の小さな通りへと向かったのであった。