• テキストサイズ

久世くんには恋愛論を

第8章 恋愛論Ⅶ






「もうすぐ夏休みかあ…、」


 ミンミンとセミの声が遠くで聞こえるクーラーの効いた教室。今や恋する楽しみも無くなった私は、これから来る長い夏休みに不安があった。





「なんだよ、宮原ぁ、楽しい楽しい夏休みじゃないか!」


 いつの間にか隣にいた諸星くんが話に入ってくる。






「うん、諸星くんにとっては、ね。」
「なんだよ、寂しいこと言うなって!俺ら友達ダロ!?」


 親指を立てて、ウィンクする諸星くんからはまさに「キラーン★」という音がする。




「……」
「久世ぇ!宮原が俺をいじめるぅ~!」




 教室の後ろで他の男子と話す久世に諸星くんが大声を出すと、あからさまに嫌そうな顔をして、何事もなくそちらに顔を戻した。





「ちょっと宮原!今久世、俺のこと見た!?」
「うん、嫌そうな顔して見てたよ。」
「やっぱり久世って照れ屋さん!」
「何でそうなるのかな。」





/ 211ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp