第7章 恋愛論Ⅵ
「先輩こそ、何してるんですか。」
「見ればわかるだろ、生徒会宛に寄せられた嘆願書の整理だ。」
「へえ、そんな仕事あるんですか。」
「お前、生徒会長って名前だけだと思ってんだろ?」
「はい、カッコイイです。」
「馬鹿だな。」
「・・・口悪いな。」
「うるせえな、」
「先輩、久世の情報、教えてあげませんよ。」
「は?お前にそんな権利はない。吐け。」
「久世というか、私新田くん本人に聞きましたけど。」
「まじか。お前、使える馬鹿かよ。」
「だから言ったじゃないですか、久世を探る意味、理解できません。」
「やるな、」
「聞きたいです?」
「性格悪いよお前。」
「先輩に言われたくありません。」
「あっそ、」
「・・・先輩、」
「あ?」
「・・・教える変わりにひとつだけ、お願い聞いてくれますか?」
先輩が私の言葉に少し眉を寄せる。
「・・・なに。」
「今から告白するので、」
「・・・・・・私の好きだった、あの・・・橘先輩で、」
「きちんとフッてはくれませんか。」
結局ちゃんと気持ちも言えないまま、あんな形で終わってしまった私の思い。こんな先輩を見ても、新しい先輩を知っても、なかなか消えてはくれない思い。ちゃんとハッキリ終わらせて、次に進みたいから、最後に先輩が嫌がるお願いをしてみる。
これは私の最後の甘え、わがまま。
先輩がジッと私を見つめて答える。