第6章 恋愛論Ⅴ
「・・・・・・、」
次第に涙も干からびて、もう出すものが何も無くなった時、急にこの状況に焦り始める。
あれ、私、何故こんな自然に久世に抱かれてるのでしょうか。いくらあの久世とも言えど、異性なわけで、男性なわけで、私とは違う胸の硬さに、手の大きさに気づくと、緊張で急に体が強ばった。
「いきなり緊張ですか、みゃあ。」
「え!あ、いや、」
「わかりやすいよ、宮原は。」
「そ、それは嫌だな。」
「いいんじゃない、素直で。僕とは違って。」
「そ、う?久世も・・・素直じゃない?」
「そう見える?」
「うん、素直。」
「じゃあ、お揃いか。」
お、お揃いって・・・。久世は本当に時々、女子みたいな可愛らしい言葉を吐きます。