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久世くんには恋愛論を
第6章 恋愛論Ⅴ
荷物を取りに教室へ戻ると、そこには久世がいた。
「・・・・・・、」
「・・・・・・」
その姿を見て私は入口に立ちすくむ。久世は私の席に座って、また分厚い本を読んでいた。視線は合っているのに、動きもせず、何も言葉を発しない久世。ただ私をジッと見つめるだけ。何もかも見透かされているよな、そんな目。
なんで、こんな時に久世がいるの。
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