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久世くんには恋愛論を
第6章 恋愛論Ⅴ
涙が出ない。泣きたいのに。泣いてスッキリしたいのに。
体育館裏から教室に戻る間に、放課後、部活に専念する生徒の声が響き渡る。意味のある時間、有意義な時間。そんな時間を過ごす生徒の中、私はあっさり砕け散った。
意味のない時間。先輩に恋したこの2年間。私の手の中には何も残っていない。
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