第18章 恋愛論XⅣ
「なにこれ、実験でもしたの?」
そう言ってお箸で私に見せるそれは、頑張って早起きして作った真っ黒焦げの唐揚げです!
「…ご、ごめん、なんかそうなって…」
「みゃあは僕を早死にさせる気?
これがガンのもとと知っててわざと?」
へえ、ふうん、と言うだけの彼。お昼休みの時間になって15分も経つのに、一向に食べようともしない私の手作り弁当。
これは頼まれた訳じゃない。
ただ、昨日
「たまには恋人らしいことしてみない?」
と久世に誘われたから(だから今日は雨が降っているんだ)、興奮してお弁当なんか作ってしまった。
意外と乙女ですみません。
2人きりの実験室で向かい合って座る彼に慌てて返事をする。
「そ、そんな!滅相もありません!
やっぱやめよう!ほら久世、
こっちの買ってきたやつ食べよ!」
久世はいつもコンビニのお弁当を食べる。
体に悪いと思って作ってみたものの、これじゃあ余計に体を悪くしてしまう。
そんな2人きりの時間なのに、突然教室扉を開ける音がした。