第13章 恋愛論XI
「え、」
なんで。どゆこと?
私をよそに久世と先輩が会話をする。
「帰り、同じ方面ですよね。」
「うん、そうだ、ね。」
「ご迷惑でなければ、よろしくお願いします。宮原、バカだから1人で帰れないんです。」
先輩が1度私を見る。あああああ、どうしてくれんだよ、この状況。とでも言わんばかりの痛い視線。すみませんすみませんすみませんすみません。
「く、久世!私はみんなと、」
久世の申し出を断ろうとした時
「久世くん!」
小走りで走ってくる篠崎さんの姿にまた胸がチクリと痛む。
「…あ、呼んできてって頼まれて、」
「……、」
久世が何も言わずに私を見た。
「……、」
またその視線に胸が痛む。
ほんとに、嫌だなこの私らしからぬ感情。
「…じゃあ…お言葉に甘えて!先輩と、帰ろうかな!」
あはははは、と笑ってみたけど、まわりは誰も笑っちゃくれない。
「うん、じゃあね宮原。」
「宮原さん、また学校で。」
私に背をむけて歩き出す2人。今日何回この光景を見たんだろう。