• テキストサイズ

久世くんには恋愛論を

第13章 恋愛論XI







 そんな先輩が急に何かを思い出したように、目を開く。


「すずが新田の姿を見たって言うからまさかと思って。」

「え、すずちゃん新田くんを見てしまったんですか…?」

「…何、なんかまずかったのかよ。」



 新田くんといえばお姉さま達と、何処かへ行ったっきり。好きな人が他の女の人達と仲良さげにしてる姿なんて見たら、悲しい思いをしたに決まってる。



「あ、いや、すずちゃん大丈夫ですか?」

「は?大丈夫じゃねぇよ。大喜びで置いていかれた。」

「置いていかれた?」

「お前のせいで、今すず、新田と一緒にいるんだよ。このポンコツ。」

「う、えぇえええ!?なぜ!?水着美女は!?」

「は?水着美女?」

「…あ、いえ、なんでもないです。…それより、どういうことですか。」

「どうもこうも、こっちが聞きてぇんだよ、はげ。」

「…禿げてないもん。」

「あーあーあーあー、夏の勢いで上手くいくとかまじありえない。馬鹿じゃないの。くそ、こうなったらお前で解消するしかない。」

「ちょっと、解消って怖いこと言わないで下さい。先生に言いつけますよ。」

「あ?新田連れて来たの誰だよ。お前だろうが。」

「…私じゃないもん。」

「とりあえず手始めに地元のヤンキーに絡んでこい。」

「ちょいちょいシカトするの、やめてもらっていいですか。」





/ 211ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp