第2章 恋愛論Ⅰ
まだワーワー言っている諸星くんに呆れる久世を見ていると、突然京ちゃんが話し出す。
「久世くんのファンって
まだ多いらしいわよ」
「へえ、珍しい人達もいるもんだ」
「そう?久世くん見た目は
もろタイプなんだけど、私」
「いや、京子さん、
さすがにあの口の悪さは命取りですよ」
久世はそのルックスで女子から人気があった。
ただあの口の悪さをあのお方が隠す訳はなくて。オープン黒な性格で有名の久世だけど、女子に暴言を吐く姿は見たことがない。むしろ、丁寧な、文章でも読むかのような、独特な話し方が人気でもある。
そしてなぜか、あの口の悪さにも関わらず、久世の周りには男の子が寄ってくる。
「おーい、久世、現文の教科書貸してー」