第18章 て言うか肝心なトコロを聞いてない事に気付いた。(黒尾鉄朗)
DVDを再生するとすぐに試合が始まった。
ボヤーッと流し観る様にしながら俺は一つの仮説を立てた。
横にはまだ膝を抱えて顔を隠している。
「なぁ、さ…」
目線はパソコン画面に向けたまま。
バチンとブロックにボールが当たり乾いた音が響いた。
「俺の事、ホントは好きだったりすんの?」
画面の中の審判が笛を吹く。
ブロックに当たったボールが相手コートに落ちたのだ。
(ブロック高ェな…)
そこまで観てから視線をへと移す。
すると、驚いた様に目を見開いたと目が合った。
「そこは…バッカじゃないのって、言わねーの?」
「……!//」
「言わねーなら、調子乗るけど?」
そこまで言うと俺はの手首を掴み自分の方へと引き寄せる。
「…く、くろ」
「お前、分かり易いんだか分かりづらいんだか…わかんねェよ」
抱き締めながら小さく溜め息を吐く。
じゃあ何か?研磨と間接キス出来て俺と出来ないのは照れてるからか?
帰った研磨を追わないのはホントは俺と居たいからなのか?
何だよそれ……
「気付かない俺がバカってか…」
今までの散々苛ついていたのが嘘みたいに消えていく。
「」
「……///?」
「俺はずっとお前が好きだったけど?」
「!!////」
ただただ顔を赤らめるばかりで否定も肯定もしないに顔を寄せる。
「お前は?」
「………//」
「なーぁ?」
鼻先が微かに触れる。
次の瞬間、唇に熱を感じた。
「!!」
触れた瞬間に離れてしまう、そんなキス。
それがの返事なら。
「全然足りないねぇ?」
「……え?」
何年燻らせて来たことか。
「あっ!…んんっ……クロ…んっ!」
喋る隙なんて与えない程にの唇を塞ぐ。
「ちょ…!んぅ…!もぉ…!苦しい!!馬鹿クロ!」
「痛…っ!!」
ゴン!と言う鈍い音と共に頭にゲンコツをくらう。
女子が!ゲンコツって!!