第18章 て言うか肝心なトコロを聞いてない事に気付いた。(黒尾鉄朗)
「窒息するっての…!馬鹿クロ!」
「息継ぎちゃんとしねぇからだろ?」
「…って…………………から」
「あ?」
小さな声で恥ずかしそうに呟いた言葉に俺の顔は熱くなる。
「だって初めてだから…」
ファーストキス。
その響きに胸がくすぐったくなった。
「…!!」
「ちょっと…やめっ…!んんーっ!///」
もう今のが何を言っても俺には誘い文句にしか聞こえない。
散々抱き締めて、散々キスをして、もう一歩先に進みたい気持ちをグッと堪えている内に画面の中の試合は終わってしまっていた。
足元には使われず真っ白なままのノートとピンク色のペンが転がっていた。
「馬鹿クロ…//」
翌日。
「DVD、試合どうだった?」
「……////先に学校行く!」
「え?あ、……」
「試合は…あー…あ!ブロックが高い!…と思う」
「…と思う?ちゃんと観たんじゃないの?…て言うか何あれ、……どしたの?」
「まぁ…とにかく学校向かおうぜ、ハハ」
「?」
この後、学校へ着くまでの間研磨に事情を少しずつ話した。
研磨は呆れた顔をしてたけど、
「二人が仲良くなったならいいや」
と研磨らしくサラッと祝福してくれた。
END