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High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第13章 瞼の裏の暗闇を星空に変えてくれたのは君だった。(縁下力)


「自分がどんな顔をしていたか…わかった?」

「…さん、俺……」

「力の翼はもっともっと大きくなるよ」

「………」

「私の勘は結構当たるよ?」


俺はさんのように怪我をしたわけでもない。時間もまだ嫌ってほど残されている。

何を迷う事があるだろうか。










俺が跳ぶチャンスは
これから限りなくあると言うのに。
















「さん」


ここが俺の新しいスタートラインだ。


「俺が跳ぶ瞬間を、俺の翼をさんに見て欲しい」


夕陽はすっかり沈んでしまった。
空には星が光始める。

「力、良い顔になったね」



真っ直ぐにさんを見つめて俺は改めて言い直す。
なんて綺麗に笑う人なんだろう。


「もう一度自己紹介させて下さい」

「え?」



「縁下力、烏野高校一年…バレーボール部です!」

「……ちか、ら」

「俺、もう逃げません」

「そっか、力…バレー部かぁ!」


さんは何故かとても嬉しそうに笑ってくれた。


「いつになるか分からないけど、必ず力の翼を観に行く…だから前に進み続けてね」


私も必ずまた跳ぶからと、もう一度さんは俺の手を強く握った。





ねぇ、さん。

貴女は暗闇の中で出会った光です。
瞼の裏を、星空で埋めてくれた。







出会ったあの日から一年。
あれ以来、さんには会っていない。





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