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High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第12章 彼女の考えている事はきっと誰にもわからない。(青城逆ハー)


男の1人がの肩に触れる。
その時、その男の肩にも手が掛かった。

「あぁ?何だお前……っひ…!?」


振り返った男はあまりの恐怖に思わず肩を竦めた。


「あ、一ちゃん!」

岩「…………何やってんだ、お前ら」

「い、いや…俺達は…」


岩泉はの肩に置かれたままの男の手を睨み、舌打ちをする。

岩「オイ…いつまで掴んでんだ」

「へ…」

岩「その手を放せっつってんだよ」

「す、すいませんでしたー!!!」

岩泉の睨みに男達はそそくさとその場を立ち去った。
は安心したように岩泉に笑顔を向けた。


「一ちゃん、ありがとう」

岩「…お前が帰ってくんの遅ぇから」

「わざわざ来てくれたの?」

岩「お前は昔っから絡まれやすいんだから気を付けろよ」


は昔からその愛らしさ故に男に声を掛けられやすい。
最もそれを防ぐ為に岩泉や及川がいつも傍にいる。
及川が隣にいれば他の男は勝ち目がないと寄り付かないし、岩泉が睨みをきかせていれば怖くて近付けない。


「一ちゃんが居てくれて助かってまーす」

岩「危機感を持てって言ってんだよ……ん」

「?お茶持ってくれるの?」

岩「それは自分で持て、俺が持つのはこっち」


岩泉が手に取ったのはの左手。
はその手を見つめて懐かしそうに微笑んだ。


「なんか小さい頃みたいだね、ふふっ」

岩「…お前はアイツと繋いでる方が多かったじゃねぇか」

岩泉は及川の顔を思い出して眉間に皺を寄せる。
放さないと言わんばかりに握る手に少し力を込めた。


「徹ちゃんは誰とでも手を繋いでたじゃない、でも一ちゃんが繋いでくれるのは私だけだったから…ちょっと特別感あったよ!」

岩「……………ちょっとどころじゃねぇっての」

「ん?なぁに?」

岩「何でもねぇよ、…帰んぞ」

「あ、うん!」


部屋に着くまで繋いだその手が放されることはなかった。
ただ子どもの頃と変わったのは2人の手の大きさが比べ物にならないくらい違う事。
そして変わらないのは昔からずっと岩泉にとってこのニコニコしている彼女は特別だと言う事なのだ。






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