第12章 彼女の考えている事はきっと誰にもわからない。(青城逆ハー)
松「そのまま動かないで、後帯を結ぶだけだから」
「うん」
松「はい、終わり」
「ありがとーまっつん!助かったよ!」
松「………………」(女の子だって事を…)
「一ちゃん見てーっ♪」
くるりとその場で回り喜ぶの浴衣は先程とは見違えるほど綺麗に仕上がっていた。
及「ちょっとちょっとまっつん!!ちゃんと一体何を!」
松「浴衣が着られないって言うから着せてた」
花「マジでか!!見たのか?見たのか?!」
松「いや、キャミソール着てたし」
チラリとを見ると浴衣姿を岩泉に見せている。そんなのおでこを岩泉は「何やってんだ」と小突いた。
松「………………」(女の子だって事をもう少し自覚して欲しいけど…多分、岩泉もそう思ってるんだろうな)
「失礼致しますねぇ、お食事の準備が出来ましたのでお部屋に運ばせて頂きます」
「ご飯っ!はい、お願いします!」
騒ぎが落ち着いた所でタイミング良く女将さんが声を掛けにきた。
「只今お持ち致しますね、おひつは…2つで足りるかしら?」
ガタイの良い男子4人を見渡して女将さんはにっこりと微笑んだ。
岩「ホラ!お前らの荷物そこにあったらメシ食えねぇだろ!」
花・及「うーい」
「なんかこう言うとこ合宿と変わらないね」(笑)
松「だな」
すぐに食事が運ばれてきた。
山菜や川魚をメインにした和食。
部屋に漂う良い香りに高校生のお腹は素直に反応する。
5人は席に着いて並んだ料理の数々を眺めた。
花「おー!うまそーじゃん!」
「ホントだね、ねぇマッキーこれどうやって食べるの?」
花「んあ?あぁ、鮎の塩焼きは…見ろ、あぁやって食うんだよ」
花巻と並んで座ったは言われた方を見ると岩泉が鮎の塩焼きに思い切りかぶり付いていた。
「さすが一ちゃん…ワイルド…!」
花「まぁ苦手なら先に解してやるけど?」
「えぇ?それくらい出来るよー!」
そう花巻に豪語したものの、の鮎はボロボロに崩れていく。
花「あー!やっぱり見てらんねぇ、貸しな」(笑)
「むー……」
それを見兼ねた花巻はの皿を手に取った。