第10章 告白の流れは思い通りにいかないって知った。(縁下力)
時計の針は19時を指していた。
「ごちそーさまでしたッ!!寝る!」
「「えっ!…もう…?!」」
日向の一言に他校は驚くものの、烏野は動じない。が、しかし
「~お茶貰える~?」
「あ、ハイ」
黒尾の一言には大いに反応する。
パタパタとお茶の準備をしに向かったが給湯室に消えたのを確認すると一斉に黒尾に詰め寄る。
「黒尾………の事、何で名前呼びなワケ?」
「俺だってまだ呼んだ事ないんだけどなぁ…」
呼んでみたいなぁと呑気に羨ましがる菅原に比べ、澤村大地の笑顔は最早笑顔ではない。
黒いオーラをだだ漏れにして黒尾を威嚇する。
「オイオイ、遂に本性のお出ましですかー?今日の自主トレの時ツッキーがも連れてきてくれてねぇ、それなりに親睦?深めたわけよ」
「え?何、挑発されてんのコレ…?スガ…これそうなの?」
「まぁまぁ大地…!」
「お茶淹れてきましたー!あ、澤村さん、スガさんも飲みますか?」
タイミングよく戻ってきた。
澤村と菅原の姿を見つけると湯呑みを取りに戻り、三人分お茶を注ぐ。
その手際の良さに険悪だったことも忘れ、三人は見惚れていた。
「熱いの苦手ってご飯の時に言ってたの聞いたので…少し温めです。飲み終わったら流しに置いといて下さいね、私部屋に戻りますので」
可愛らしい笑顔を見せ、ペコリと頭を下げる。
はその後部屋へと戻っていった。
「他校の俺の猫舌まで把握してくれてるとは…」
「天使か……」
「ホント可愛いよなぁ…」
その後、三人の意見が揃う。
「「「……嫁にしたい」」」
「…あ?」
「えぇ?」
「ハイ?」
無論再び食堂に黒いオーラが拡がったのは言うまでもない。
「やめろってー…大地もー…おーい」
東峰の声も届く事はなかった。