第8章 七色より美しい色があるとしたらそれは君だと思う。(菅原孝支)
「…っしゅん!うー…、夕方はやっぱり少し冷えるかぁ」
は小さくくしゃみをして自分の肩を抱いた。
「………こっち、来る?」
「え?」
「え………………あっ!!////いや!へ、変な意味とかじゃなくて…!ゴメン!変だったよな…!」
一体俺は何を言っちゃったんだ…!
変に思われるに決まってるだろ…!
こっち来る?って何だよ!!
タオルを被って顔を隠す。
そのまま俯いて自分の発言に猛省した。
「えっと、じゃあ…お邪魔します」
「うん…って、えぇっ!!!!??////」
予想を裏切る返事に勢い良く顔を上げる。
さっきまで手を繋いでもケロッとしていたがほんのり顔を赤く染めて…俺の前に立っていた。
し、しかもソコ座んの!?
が腰を下ろした先は、俺の脚の間。
もう、心臓が口から出そう…!
ヤバいでしょ…これは!!
「なんでそこに座るの…?」
「だって…顏、見えたら恥ずかしいでしょ…」
確かに、確かに顔は見えないけど…
密着した状態のままの様子を伺う。
まだ少し濡れている髪、その髪の間から覗く白いうなじ。
耳は後ろからでも赤くなっているのがわかった。
彼女を、女の子として意識するには十分過ぎるくらいだった。
「あ!菅原!日が差してきた!」
「え…?」
急にが立ち上がり遊具の外に出る。
俺も慌てて後に続いた。
「菅原!ほらっあれ見て!」
「………スゲー…」
がここで待っていたもの。
それは目の前に突然現れた。