第8章 七色より美しい色があるとしたらそれは君だと思う。(菅原孝支)
「こんなデカイ虹…俺初めて見たかも…」
「私、これが見たかったの」
そう言った後、菅原に見せられてよかったと彼女は笑う。
あぁ、もうダメだ。
「………す、菅原…?」
「…もー…、反則だから………///」
気持ちを抑えるなんてもう出来ない。
の華奢な腕を引いて、引き寄せる。
「菅原…寒いの…?」
「いや…そうじゃなくて、が可愛い…からさ…///」
「そんな事初めて言われたよ」
腕の中でクスクスと笑う。
振りほどかれないって事は…嫌がられてはいないのかな。
「ねぇ、菅原…私の事好きになっちゃったの?」
「……うん、多分」
「ちょっと、多分てなんですか」
「いや、ハイ…好きです///」
そう答えるとはまた笑った。
気付くと虹はいつの間にか消えていて、今まで荒れていた空が嘘みたいに綺麗に晴れていた。
「明日は晴れそうだね」
夕日を見つめて彼女が呟いた。
「なぁ、…」
「ん?」
「……また、ここに見に来ような、虹」
「…うんっ」
の返事を聞いてまた強く抱き締めた。
彼女は俺に七色の虹を見せてくれたけど、
俺が今見ている景色は七色よりももっとずっと
綺麗な色なんじゃないかって思う。
END