第46章 真夏の方程式、答えは全て彼の手中に。(二口堅治)
「よし…二人ともボーダーラインは越えてるな」
「やっ…たー!!!」
「、お前はまぁまぁギリギリだからな?これからもちゃんと勉強しろよー」
「うっ…はぁい………」
喜んで飛び上がったのも束の間、先生の一言ですぐにの喜びは萎んでしまった。
そんなを気にする様子もなく先生は教室を出ていってしまった。
「大袈裟に喜びすぎだろ、バカ」
「だって嬉しかったんだもん…」
むくれるに二口は咳払いを一つして口を開いた。
「ここで問題」
「へ?」
「期末受けらんなかった俺は補習じゃなくて課題提出でも良かったのになんで補習を受けたのか?」
「え……そうなの…?なんで?」
「バカ、それが問題だっつってんだろ」
二口の突然の言葉には頭を捻る。
補習を受けるより課題提出の方がよっぽど楽だ。
部活もあって忙しい二口が敢えて補習を選んだ理由はなんだろう。
「……相田先生の授業が、好きだから?」
「ちげーし」
「…え、じゃあ…課題クリア出来なかっ…」
「バァカ!!ンなわけあるか!」
「バカバカ言わないでよぅ…だって、あとは……あと、は…」
そう、他に考えられる事は一つだけ。
はみるみる熱くなっていく顔を咄嗟に押さえた。
そんなはずはない、モテ男二口堅治に限ってそんなはずはない。
そう頭の中で何度リピートしても顔は熱くなる一方だった。
「の今考えてる答え、ハズレてねーから言ってみろよ」
「………っ!」
一瞬心を読まれたのかと思う二口の言葉にドキリとした。
は目の前の、余裕たっぷりな表情を浮かべている二口をの顔を見つめながら震える唇をゆっくりと開いた。
「……わ、私が…いる、から…?」
「正解」
「……んっ!?」
恐る恐る告げた答えに貰った正解。
それと予想していなかった突然のキス。
「んん…っふた、くち…くん…っ」
「エロい声出すなよ、止まれなくなったらヤバいだろ…」
チュッ…と音を立てて離れた唇。
驚きで目を真ん丸くさせているを見て二口はニヤリと笑った。