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High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第44章 僕たちのポートレート。【縁下END】


「あ!先輩!久しぶりですね…!」
「谷地さん、こんにちは…えっと、縁下くんに誘われて、見学させてね」
「もちろんです!」

が体育館に入ると谷地がそれに気付いて駆け寄ってきた。
挨拶を交わした後、はカメラを構えてコートに向ける。


「ナイスレシーブ!!!」
「影山!」
「…っしゃ!!」

3対3のゲームの真っ最中、縁下のレシーブが影山の元へ返り日向の速攻が綺麗に決まる。


「縁下さん、レシーブもう少し高めだとありがたいっす」
「…あぁ、悪い気を付ける」
「うす」


3年生がいた時と変わらない、集中力に満ちたチームの雰囲気。

カシャッ

カシャッ

の撮った写真にも真剣な顔付きの部員たちの姿があった。

(………なんだろう、)


が感じたほんの少しの違和感。


(縁下くん………?)

縁下だけが何か気負っていて、どこかで緊張している様子に見えた。
それは、だけが気付いた小さな事。


「集合!!」

縁下の声で全員が烏養コーチの元に集まり、今日の練習が終わった。

「!!久しぶりじゃねぇか!」
「に、西谷くん…!うん、久しぶり…、あの、縁下くんは?」
「力?力なら武田センセーと話があるって職員室いったぜ、たぶん今度の新人戦の話だろ!」
「そ、そっか…ありがとう…!」
「おう!」

西谷にペコリと頭を下げるとは急いで職員室へと向かった。

縁下に感じた違和感。
それには身に覚えがあった。


(あれは………私には、出来なかった事だ)



「失礼しました」
「あ……え、縁下くん…!」

職員室からちょうど出てくる縁下を見つけては慌てて声を掛けた。


「?」
「……あ、えと…その、良かったら途中まで一緒に、か、帰りませんか…」

顔を真っ赤にして言うをきょとんとした顔で見ていた縁下だったが、すぐに顔を綻ばせた。

「…うん、すぐ支度してくるから待ってて」
「………!」



体育館から少し離れた所で縁下を待つは両手で顔を覆っていた。
まさか、自分からあんな事が言えるなんて。
今思い出しても恥ずかしくて堪らなくなる。


それでも、どうしても縁下と話したかった。


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