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High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第42章 僕たちのポートレート。⑦


「…バレーをしている皆の輝いている一瞬を切り取ったんだそうです」

武田がそう言って顔を綻ばせた。

「実はこれを頼んだのは僕なのですが…さんは二つ返事で引き受けてくれて」










『私が出来る事、やりたいです…皆のバレーへの「好き」は…きっと皆の力にもなると思うんです』











「バレーをしてる皆さんはこんなに輝いているんだと、皆さんに一番…知っておいて欲しいと言っていましたよ」


バレーに夢中になっている姿、バレーが好きだと伝わる表情が皆の力になって欲しい。
それがの、願い。





優しく目を細めた武田は感動の表情を浮かべる部員たちの顔を眺めた。


「こりゃ、気合い入れないとな…」
「あぁ…!」

澤村と東峰は目を合わせて笑い合う。

「……………」

菅原は静かにフォトブックを眺めていた。
この短期間で、きっと色々試行錯誤したんだろう。
の気持ちと努力の跡にただただ胸が熱くなる。
チラリと縁下の様子を窺えば、きっと自分と同じ気持ちなんだろうと言うことは容易にわかった。


(お礼を伝えるのは、今日はお預けか……)


月島と保健室に向かったはきっとそのまま帰宅してしまうだろう。
それに、春高一回戦をしっかり戦って勝つ事が何よりのお礼になるはずだ。


「それじゃ、今日の練習はここで終わるが、自主練はほどほどにしろよ!」


烏養コーチの声に大きな返事を返して春高前の最後の練習が幕を閉じた。
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