第41章 僕たちのポートレート。⑥
御詣りを終え、おみくじも引いた。
二人揃って小吉で、俺ららしいなと縁下は優しく笑った。
「お願い事したの?」
「あ…うん、皆の必勝祈願と今年も良い写真、たくさん撮らせて下さいって……欲張りだったかな…」
「いやいや、全然欲張りじゃないでしょ(笑)」
「……よかった」
「俺達の事まで願ってくれてありがとう」
「だって………仲間、だから…」
そうにこやかにが笑う。
その間もずっと手は繋がれたままで、笑っているものの内心はドキドキしっぱなしだった。
一通り落ち着いた所で縁下が口を開いた。
「…あのさ、菅原さんか月島と何かあった?」
「えっ………!?」
縁下の言葉には大きく驚いた。
だが、予想以上の反応を見せたに縁下もまた驚いたのだ。
そして確信に近いものを持つ。
どちらか…或いはどちらともと何かあったな、と。
「あ…え、と…………」
「ごめんな、困らせちゃったね」
「……………いや、あの、」
なんて言えばいいんだろう?
何もなかった、と嘘をつくのか?
それとも、抱き締められたと…菅原には告白をされたと縁下に言うべきなのか?
結局何も言えないままは縁下に手を引かれ神社の階段を下りる。
先程までの人混みもだいぶ解消され、ほとんど周りに人はいない。
もうすぐお昼も近いのだろう。
「……困らせついでに、もう一ついいかな」
「………?」
の手を握る自分の手に力が入る。
菅原さんと月島と何があったのか…気にならないって言ったらそれは嘘になるけど。
それでも、どうであれ自分の気持ちは変わらないから。
戸惑いながらも自分をしっかりと見つめるを優しく見つめ返す。
あんなに俯いてばかりいた彼女が、今は笑って自分達を仲間だと言ってくれた。
それが縁下にはとても嬉しく感じた。
そして、それと同時に生まれた焦りの感情。
彼女がどんどん変わって行くにつれて彼女の魅力に気付く人も増えていく。
現に菅原と月島がそうなんじゃないだろうか。
それでも一番にを支えるのは、自分でありたい。