第39章 僕たちのポートレート。④
「撮りたいな………」
「さん…?」
「あっ…いえ、何でもないです…!」
ポツリと呟いた言葉を清水に拾われは慌てて誤魔化した。
「………?」
ふと月島の様子が普段と違う事に気付く。
「あー…こりゃ月島の本日のスタミナ切れって感じかな?」
菅原ののそんな声を聞いて、はもう一度月島へ視線を送る。
肩でゼェゼェと苦しそうに息をして汗の量も尋常ではない。
「いっけー!旭ッ!!」
バチンッ!と大きな音がしてこの最終セットを終わらせる東峰の強烈なスパイクが伊達工のブロックを吹き飛ばした。
「「「ありがとうございましたっ!!!」」」
挨拶を終え各チームストレッチに入る。
その後にミーティング、と立ち上がろうとした月島が、
「っ!?」
膝に力が上手く入らず前のめりにふらついた。
それを受け止めたのは、
「……だ、大丈夫、ですか?」
月島の様子を気にして見ていただった。
「………!?」
驚いただったが、それは月島の方が上回っていて上手く声が出せずにいた。
「、せんぱ……?」
「月島くん、少し、端で休んだ方が……私、支えますので…!」
「いや、大丈夫です…それにミーティング…」
「いや、少し休んでこい月島。ミーティングはそれからでも構わねぇから」
烏養コーチのその一言に澤村も頷いた。
「そうだぞ、月島。疲れた頭じゃ話も頭に入らないだろ、さん、悪いけど部室まで付き添ってやってくれないか?」
「わ、私ですか…?」
「俺達はこのまま挨拶と片付けに入るからさ、頼む」
「は、はい…!」
そう返事はしたものの、は不安げに月島を見やる。
口元をタオルで拭いながら座り込む月島とパチッと目が合った。
不快だと思っているのか、そうではないのか…は読み取ることが出来なかった。
「…わかりました、先輩、オネガイシマス」
「えっ…あ、はい……!」
先を歩いて体育館を出た月島の後をは慌てて追い掛けた。
(やっぱり月島くんはわからない…!)
そんなことを思いながら。