• テキストサイズ

High Q!!!(ハイキュー短編小説)

第21章 髪の毛を切りました。(ALLキャラショートストーリー)



Koushi Sugawara.

……………………………………………


金曜日、今日でもう5日目。
俺の前の席の女の子はここのところずっと雑誌とにらめっこをしている。

肩までのポニーテールの髪が時折、右に左に揺れている。


けど、俺の予想ではそれも今日まで何だと思ってる。



「…よし!」


周りには聞こえない程度の小さな決意の声。
俺はそれを後ろから密かに見ているんだ。




そして月曜日の朝、下駄箱で会った彼女に声を掛ける。


「おーす、!髪切ったんだね!」

「おはようスガ、うん…結構悩んだんだけどね、思い切って切っちゃった」

「いいじゃん!似合うよ!」

「あ、ありがと…///」

「あ、ハイこれ!にあげる」


はにかんで笑うに鞄から取り出した小さな紙袋を渡す。
の片手にもすっぽりと収まるその小さな紙袋を彼女は大きな目でマジマジと見つめている。


「スガ…?何?私に…?」

「うん、開けてみてよ」


袋を開けたは驚いた顔をして俺を見上げていた。


「スガ…!これ…!」

彼女の手のひらには小さな八分音符のついたヘアピンが2つ。


「髪切ったら…必要かなーって思ってさ」

「私、誰にも髪切るって言ってないのに…すごいスガ!ありがとう!可愛い!!」

ヘアピンをきゅっと握り締め、満面の笑顔を見せてくれた。

「トイレで着けてくる!」

ヘアピン1つでこんなに喜んでくれるなんてあげた甲斐がある。


「…あんなに毎日ヘアカタログ見てたら気付くだろ、あーもー…可愛い顔しやがって…」




廊下をパタパタと走るの後ろ姿を笑って見送る。
軽やかに揺れるボブの髪が暑い夏の日に少しだけ涼しさを感じさせてくれたんだ。









NEXT➡Akira Kunimi.








/ 270ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp