第21章 髪の毛を切りました。(ALLキャラショートストーリー)
Daichi Sawamura
………………………………………
「ねぇ、大地?」
「…………」
「大地?おーい、大地さーん」
「………………………」
「だーいーちー?まだ機嫌直らない?」
大地の眉間には皺が寄せられていて、何度呼んでも目線を合わせてくれない。
教室の机に肘をついて口を覆っているけど機嫌が悪いって事がハッキリわかる。
(うーん…)
事の発端は何気ない東峰の朝の一言。
『あれ?、少し髪切った?』
彼氏である大地よりも先に東峰が気付いちゃったから大地は拗ねてるんだよね…。
昼休みが終わるまで後15分。
お弁当は無言で食べたからあっという間におしまい。
「大地、私は大地に可愛いねって言われたくて髪の毛切ったんだけどな?大地は褒めてくれないの?」
「…………」
チラリと目が合う。
「どうかな?」
首を傾げて笑顔を向ける。
「………い…」
「え?」
「…可愛い、可愛くて堪らんです……///」
「…////」
真っ赤な顔してそんな事言われたら私まで赤くなってしまう。
「あー!でも旭に先に言われたのはやっぱ悔しい!ヒゲチョコめ…!」
いつもはしっかり者の彼が私の前では時々子どもっぽくなるのがとても愛しく感じてしまう。
「」
「ん?」
「髪似合ってる、すごく可愛いよ…あ、でもは切っても切らなくても可愛いからな?!」
「う、ぁ…/////!」
そしてこの人は無意識に恥ずかしい事をさらりと言ってしまう。
そのどうしようもないドキドキには何時になっても慣れる事が出来ません。
NEXT➡Koushi Sugawara.