第3章 -完-『口移しのチョコレート』by藤ヶ谷先生、大好きですよ?
そしてヒソヒソしていた2人組は
10番通り前のバス停で降りた。
「ふぅ......。」
(ばれなくてよかった......(汗)
でも、一応眼鏡だけでもかけておこうかな?)
百合はバッグから伊達眼鏡を取り出してかけた。
百合はモデル活動を始めてから眼鏡は
持ち歩くようにしていた。......というか涼介に無理やり
持たされたようなものだが......。
それから5分で10番通り停留所に着いた。
(よし、着いた~!)
百合はまたSuicaをタッチしバスを降りた。
ちなみにカフェはバスを降りたすぐ近くにある。
「あそこだよね、オープンカフェ!
えぇと、太輔は......あ、ホントにいた!」←
太輔はコーヒーを飲みながらパソコンと向き合っていた。
「ずっとあそこで仕事してたのかな?」
百合は太輔に気づかれないよう、
ゆっくりと近づいて行った。
そして百合は太輔の背後まで来た、が......
「......。」
(ありゃ?前は背後に近づいたら私のことに気付いたのに、
今日は気づいてないな......。)
「......。」
太輔はすっかり仕事に夢中で気づいていないようだった。
(何か仕事人間って感じ(笑))
百合は背後から声を掛けるのは止め、
太輔の正面に向かい合った。
「......。」
(......これでも気づかないの!?)←
太輔はまだ百合に気づいていなかった。
(どんだけ仕事に夢中なのよ......)
「......やっほー太輔!」
「......っ!?」
百合が太輔に声を掛け、やっと百合が
居たことに気づく太輔。
「すっごい仕事に夢中だったね(笑)」
「なっ...なんで百合がここにいんだよ......?」
「だって今日はバレンタインデーだよ!?それで
愛らしい彼女が手作りチョコを持って来たわけよ(笑)」
「......。」
太輔は顔をポカンとさせながら百合を見ていた。
まだ状況を理解出来ていないようだった。(笑)