第3章 -完-『口移しのチョコレート』by藤ヶ谷先生、大好きですよ?
放課後...
「後は......ぁ、陽向君達にはいつ渡そう......。
モデルーキーの収録は明日だし、明日にでも渡そうかな?」
(太輔は今大丈夫かな?)
百合はスマホを取り出し、
太輔に電話を掛けることにした。
プルルルル......プルルルル......プルルルル......
(大学にいる間はやっぱり電源とか切ってるのかな......。)
百合が諦めようとした時......
「もしもし?」
「ぁ、もしもし太s...ん?」
「こちらは藤ヶ谷太輔の携帯ですが、どちら様ですか?」
電話の向こうから聞こえた声は太輔ではない男の声だった。
「ぇっと......玉森百合と申します......。」
「あー百合ちゃん!?俺だよ俺!北山宏光!」
「きぃ、北山先生!?」
「そうそう(笑)」
「藤ヶ谷先生はどこかに行ったんですか?」
「うん。今日は午前中しか授業がなかったから、
もう帰ったよ。」
「嘘!?」
「ホントホント!多分、十番通りの
オープンカフェに居ると思うよ?」
「カフェにですか?」
「うん、よくあそこで仕事しているみたいだよ。
今日も行くって言ってたし、今頃パソコンと
睨めっこ中だと思うよ(笑)」
「ありがとうございます。でもなんで藤ヶ谷先生の携帯を
北山先生が持っているんですか?」
「藤ヶ谷先生、スマホを机におきっぱにしたまま
帰っちゃったんだよ(笑)」
「ありゃりゃ......(苦笑)」
「んなわけで、俺が一時的に預かってるわけ(笑)」
「そうですか......って、てなると携帯返すの
来週になっちゃうんじゃ......。」
「......あ゛」←
「......今日金曜ってこと忘れてましたね(苦笑)」
「だね......(苦笑)」
「なら、私が携帯届けますよ?」
「え?」